インディーズ特有のメタフィクションと無茶さかげんが上手く絡み合ってて、楽しい作品でした。
演じることの残虐さ自体はまぁ普通のテーマですし、新しさはあまりなかったです。しかしクオリティの高い演技、そして実際の渋谷を多少無理矢理ながら使った風景演出によって、一瞬ドキュメンタリーなのかと見まがう没入感がありました。子役もめちゃくちゃ上手かったですね。
この作品の演技の見所は後半（村上虹郎が出ているところ以降が特に）ですが、前半の人間臭さの方が個人的には見ごたえがありました。手助けをすること自体が一種のキモい悪さを孕んでいること、ソノサキを描こうとすることの困難、そして若者特有の世界の主役感が非常に上手く表現されていました。
インディーズの青臭さを演者が消したのが良さの原因かなと思います。メジャーがやったらさめるし、インディーズが低クオリティの演者でやってもさめていたと思います。いいバランスの良作でした。
