アガサ・クリスティのロングラン戯曲"The Mousetrap(ねずみとり)"をオマージュしたコメディ・サスペンス作品。
ストーリー自体が「ねずみとり」のオマージュになっていると同時に、実際にこの戯曲が1952年の初演からずっとロングラン公演していたという歴史的な背景もベースにしているという、二重の面白さがあった。
クリスティ好きにはたまらない"らしさ"が散りばめられていて、個人的にすごく楽しめた!
作風は違うんだけど、どことなくウェス・アンダーソン監督の雰囲気を感じた。フレンチ・ディスパッチ系が好きな人も楽しめるんじゃないかな?
ただ言葉の言い回しとかセリフの面白さが、日本語訳だと伝わらないだろうなって部分も多くて残念。絶妙にクスッと笑わせてくれて良かったです。
出演キャストがなかなかに豪華!
だらしない警部役のサム・ロックウェルと真面目だけど空回りする女性巡査役のシアーシャ・ローナンのゆるーいコンビが可愛かった。
本作が長編デビューの監督はBBCドラマを多く手掛けてきたらしく、英国ドラマ好きにはお馴染みの役者さんが沢山出ていて嬉しい。ハリポタの嘆きのマートルで有名なシャーリー・ヘンダーソンが意外な役で出てきてビックリ!
原題は"See How They Run"、邦題のチープさがすごい…。クリスティ関連作品に全部「〇〇殺人事件」ってタイトルつけるのやめた方がいいと思う。
派手さはないけど、イギリスらしい笑いと絶妙なゆるさが好きでした。寒い夜に、温かい紅茶とビスケットと共に観たい作品。