いつか古本屋のオヤジになりたい。この映画を見終わって、改めて思った。
あんな恋(みたいなもの)を期待しているわけではない。カウンターに座って、「地獄少女」なんか読んですごす時間がいいなと思った。文学部だったので。
タイトルの「恋なのに」は、それぞれの恋している側(片思い側)の気持ちで、その後に続く言葉が気になる。この一方通行でストレートな気持ちで、相手が少し変わる。
大きな何かがおこるストーリーではない。
女子高生の岬が、古本屋の多田に告白して、多田の気持ちを手紙に書くまでの時間。
それと多田が憧れていた一花が、ウェディングドレスを試着して、結婚式に挙げるまでの時間。そのふたつが少し交差する。
神父さんに「ヘタ」って言わせるとは。あの空気と間が笑けた。
日常を切り取った感じで、ありそうでないだろうという会話。ストーリーは目的がないように進んでいく。さて、多田はどんな手紙を書いたのか。LINEで返事するとかじゃない。悩んで、自分の気持ちを考えて書く時間がとても尊い。
あと熊本さんのメガネがエロかった。
それからやっぱり本と猫って相性がいい。その猫は逃げたのかな?