猫熊

愛なのにの猫熊のレビュー・感想・評価

愛なのに(2021年製作の映画)
3.0
三十路男と十六歳の少女の歳の差恋愛という情報のみで観に行ったので、当初は昭和系の純真なラブストーリーなのかなと思っていたが、思いの外ドロドロしているわ、セックスシーンは多いはでびっくり。
観劇中は登場人物の言動行動に対しツッコミばかりしていた。でもそれは自分が観客という客観的立ち位置にいるからできることで、寧ろ恋愛というのは言葉や道理が通じて収まるなんてことは少なく、考えなんて上手くまとまらず、理想、冷静、倫理とは反対のてんでバラバラな行動にも移してしまう。論理的に行動できたら最早それは恋ではないのだろう(だからといってなんでもしていいわけでは無いが)。
だから多田の「愛を馬鹿にするな!」という台詞も手紙を見た親からすればなんじゃそりゃという感じなのだが、二人のうちで完結してるうちは世間から批判されることでもただの恋であり、愛なのだろう。

歳の差という現実から見るとファンタジーじみた話だが、登場人物たちの動きは寧ろ自然体で自分が人物たちの立場になったら同じ行動をとってしまうかもしれないという妙なリアリティがあった。
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