猫熊

千年女優の猫熊のレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
3.0
昔、出会った男と再会するために走り続ける女優……いいね……
自身に鍵を渡した男をただ一心不乱に追いかける千代子の姿や表情、眼差し、がとてもまっすぐで惹かれる。千代子が今まで出演した舞台が次々と変化するシーンが印象深い。雪降るプラットフォームで列車を追いかけるシーンと桜が舞い散るなか女学生姿で自転車を漕ぐシーンが好き。

ただパプリカのときもそうだったが、今敏の映画はいまいち盛り上がりとオチがちょっと掴みづらいと感じた。正味、千代子が舞台を変化させながら男を追いかけるシーンが何度も続いてそれが助長に感じ、途中飽きてる自分がいた(記憶がここら辺途中無いので舟漕いでた)。
でも大まかなストーリーとしては千代子の最後の台詞である「追いかけてる自分が好き」とあるように、自分の運命(のような)人を追いかけることは長く、苦しい思いもあるが彼を追いかけることに不満はない、だから何度でも追い続ける。それこそ何度生まれ変わっても、というシンプルなものだったなと感じた。
今までの前世、来世を含めた千代子と男の追走劇を今世の女優としての千代子が演じてきた舞台として見せるという面白い構造だと思う。
猫熊

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