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シチリア!シチリア!のmhのレビュー・感想・評価

シチリア!シチリア!(2009年製作の映画)
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シチリア島にあるバゲリーア(シチリアの方言だと「バーリア」と呼ばれてて、それが原題)という街を舞台にしたジョゼッペトルナトーレ監督自身の――父と子どもたちの大河ドラマ。
1930年代から1980年代を2時間30分に凝縮してある。
・シチリア島の近代史。
・イタリアを席巻していた共産党の歴史。
・映画好きに育った監督自身。
展開早いけどわかりやすいのは、巧さを見せないのがすげー巧い監督の真骨頂。
ただイタリアの歴史に疎いと、極度の貧困、黒シャツ隊、共産党の大流行などなどついていくのがやっとになってしまうかもしれない。
序盤は「カオス・シチリア物語」でやってたようなフォークロアファンタジーの世界。
常に妊娠しているお母さんいいね!
お父さんがフランスにいっているのは、「ぜんぶ、フィデルのせい(2006)」でやってたチリの政治活動関連かな? つまり監督のお父さんは、コスタガヴラスと共に働いていたのかもしれないという妄想も捗った。
マフィアについては、あまり触れてなかった。
激アツは、「ニューシネマパラダイス」のあのくだりをさらっとやってくれたところ。フィルムの中に個人的に大好きな「国境は燃えている」があって嬉しかった。
過去とすれ違うラストの仕掛けも良かったなぁ。
これはめちゃくちゃよかったです!
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