おそらくグレーな特性を持つ社会不適合者の苦悩の部分が全面に出ていて、申し訳ないが寄り添ってあげられない。あまりに破滅的で受難に満ちた生き方だが、岡山天音の好演によって、これがフィクションではなく実在するんだという説得力があった。ただ、オードリーのオールナイトニッポンでの若林の語り口から受ける、ツチヤタカユキの印象はもう少しキュートなんだけど、この昨日では負の部分を過剰に描き過ぎな気もした。（とはいえ、若林も言っていたように何でも“両面”あるので、どちらからも本当のツチヤタカユキはわからないのだろう。）
笑ってしまうくらいキマリすぎてる菅田将暉が良かった。わざわざ菅田将暉がやる役ではないと思ったら、居酒屋のシーンで納得してしまった。これは菅田将暉じゃないといけない。若林っぽくない仲野太賀と、春日っぽい板橋駿谷、前原滉の擬態っぷりにニヤニヤ。面白かったとは手放しに言えないが、キャストが素晴らしい映画でした。
