いつもいっちゃん

笑いのカイブツのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.5
尖ったオープニングとエンドロール。
ツチヤタカユキさんの自伝を映画化。

社会不適合。人間関係不得意。
ラジオ大喜利の投稿者からお笑い構成作家へ。
転々とし、いくつものバイトを掛け持ちしながらいつもネタについて考え体を壊す。
そんな不健康サイクルの精神状態を岡山天音さんが怪演。
お笑いの話なのに全く笑えないヘビーな映画でした。
反発を繰り返し、人間関係を放棄。
パンツ一枚で紙だらけの部屋でペンを走らせる。
挨拶も社交辞令も皆無な彼と出会う漫才コンビとの繋がりが、人間性を新たに構築していく。
世間に潰されそうになる彼は結局世間を喜ばせる仕事をしたいというジレンマ。
残酷でありながら、また情熱はそこにある。
しょうもないこと、理不尽なこと、おかしいと思うこと。すべてを無駄にしないでまた突き進む。
感情の出す場面が激し過ぎて正直心が離れるが、人の弱さと強さが執念深く描かれていました。
仲野太賀さんはほんと芸達者な上、上手い!
そして岡山天音さんはちゃんとカイブツでした。