なを

笑いのカイブツのなをのネタバレレビュー・内容・結末

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いやーーーたぶん人によっては全く刺さらないんだろうなって感じのエグい映画。わたしはもうガツンと殴られたような気がするほどくらいましたよ……。

ツチヤはたぶん自閉症気味なのかな?とは思うけど、その中で本人が持つ才能が「笑い」っていうのがなあ……。笑いってマジで難しくて、絵とか音楽とかとは違って、才能だけで売れることはほぼありえないんだよね。しかもツチヤは書く才能はあるけど、演者じゃないからなあ。お笑い界ってえげつないほどの男性社会で、つまり不寛容ということ。そんな中では彼は生きていけないよ〜まさに地獄だね。

わたしが見てて本当に辛かったのが、某ラジオスタッフとの確執。よしもと(仮)の作家と上手くいかなくても誰も悲しまないけど、某ラジオスタッフと上手くやれないと、引き上げてくれた恩人に申し訳ないじゃんねえ……。それが彼にとっても負担になってるし、でもなんとか上手くやろうと彼なりに努力してたのも辛い。社会ってマジで不寛容だな。
でもさすがに激詰めメールしといて、「他人にメール見せんのはねえだろ!」と言っちゃう先輩作家には笑った。てめえがメールしたのがどう考えても悪いだろ。てめえが面白かったらこんなことになんねえんだよ!

私はなんとか人間関係を上手くやってると思うけど、実際は一人でずーーっと映画や漫画や本を読んで自家中毒になるような、非社会的な人間なわけですよ。だからツチヤの最後に絞り出した「人間関係不得意」の一言が辛くてねえ……。わかるよ。何が3年だよ、何が歩み寄りだよ、と思うよ。世界って本当に優しくないよね!!

ラストの漫才。仲野太賀が少し噛むのも含めて、漫才だな〜!と思った。普通にめっちゃ面白かったし、もっとこの人のネタが見たいよ。長尺コントも見たい。大喜る人とか出てほしいよ。泣きながら笑って見てしまった。

映画としてはBGMがクドいな〜とかこのカメラワーク好きじゃないな〜とかあるものの、とてもとても良い作品だった。出てる人たちも最高でした。鬱屈したラジオリスナーは全員見たほうが良いぞ!
所々に出てくる吉本芸人(なぜ)と、おそらくピンクのあの人なのに一切話に絡まない水木には笑いました。さすが。


そして2023年度はオードリーイヤーだ!とANNスタッフは盛り上がってたけど、これ見ちゃうと素直にANNの東京ドーム祝えなくない……?大丈夫なの……?
なを

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