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1941 モスクワ攻防戦80年目の真実のWNTのレビュー・感想・評価

3.5
モスクワ士官候補生として日々学び現場に出るまでの訓練を積む砲台手ラヴロフは才能を持ち砲台手として未来有望な青年。少しハメを外しすぎてしまう性格もあり同級生のディミトリと看護師の一人の女性マーシャを取り合い喧嘩になってしまう。そんな平和な日々も一転、ナチスがソ連への侵攻を始めモスクワを守るため増員を図り士官候補生と見習い看護師たちも戦場に出る事になってしまう。

突然の攻撃から身を守ることもできず同級生たちがどんどん命を落としていく。現場と訓練では全く違いラブロフはパニックを起こす。

守備を固めることもままならずナチスはどんどん近づいてくる。増援は待てども来ず気を強く持つしかない状態にラブロフは砲台手として腹を括り相手の戦車をひとつでも倒そうと奮闘する。

実話に基づいたストーリーに驚く。若き命が次々と失われていく中ナチスの進軍は止まらない....まだ軍人として一人前でない中相手は容赦なく攻撃して来てどんどん追い詰められていく。

戦場の中で強くなっていくラブロフ、ディミトリ、マーシャ、同級生や友人たち。自分の職務を全うしようとする気持ちと助けたい助かりたい気持ち国を守りたい気持ちさまざまな感情が混ざり合い心が揺さぶられる。

厳しい毎日が過ぎるなか昨日まで隣で笑っていた友人も好きな人もいなくなってしまう。悲しむ暇もなく相手は攻め込んでくる。命を張って国を守るシーンや友人の仇を打つ姿等もあり忘れられない。ひとつの行動が命取りになる、大切なノートを取りに戻ったシーンが印象的。

戦闘シーンが激しく見応えがあり残酷な現実を見た。けれどこれが実際にあった歴史。ラストの選択と行動は命懸けで国を守りたい自分がやらねばならないという使命感が痛いほど伝わってきて頭から離れないほど印象的だった。

砲台手視点の戦争映画を観たことがないので新鮮。歩兵ではないので命懸けで砲台手としてチームワークも取りながら計画的に助け合い戦う姿に感銘を受けた。
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