【STORY】
タイの精霊信仰と祈祷師に迫るドキュメンタリーを撮るため取材を行うカメラマン達は、とある女神の媒介者だという祈祷師ニムと共に行動するが、彼らの目の前で、ニムの姪であるミンが謎の奇行を繰り返すようになっていく。
ミンを狂わせた原因は?撮影クルー達は無事帰れるのか?
【感想】
ドキュメンタリー記録風の構成かつ常にPOV視点のカメラで映像が作られているため、撮影隊が感じた恐怖がそのまま最高の臨場感で味わえる。
人がどんどんイかれて日常が非日常に染まっていく様子と、残酷で奇怪な所業の数々をそばで目撃する人々の目線で楽しむ131分はあっという間。
さすがは『哭声』のナ・ホンジン監督が原案・製作だけあって、スピリチュアルで掴みきれない不安とエグみの強い人々の狂気が生温かいリアル感を伴ってぶつかってくる。
ただ不気味で不可解なだけでない、何か答えがありそうに思えてくる、それでいて掴めない焦らし方が凄い。
人を守る手段も人が苦しむ原因もスピリチュアルで目に見えない形で描かれる王道な超常現象ホラーながら、しっかり芯を食ったビビらせ方をしてくるしゾクゾクさせてきて長時間飽きさせない。それを実現させているのが、普段の美貌とのギャップが凄いミン役ナリルヤ・グルモンコルペチの怪演!