ホーガン

女神の継承のホーガンのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
3.9
Let's 祈禱!!

「哭声/コクソン」のナ・ホンジンが製作したタイ産フェイクドキュメンタリー、アイコンにもなっている女神像の不気味さもあってこれは期待出来る!!

さて、何よりクライマックスの祈禱ショーが素晴らしい!! 祈禱シーンというと、「哭声/コクソン」や「聖地X」の韓国式祈禱はなんだか可笑しくて笑ってしまうし、「貞子vs伽椰子」の日本式祈禱も白石晃士監督の狙いだと思うけど笑ってしまう(「飲め!」の元ネタは同監督の「バチアタリ暴力人間」w)。「来る」の祈禱は日本式と言うより多国籍で見たことがないほどの規模感が素晴らしかった。キリスト教系には日本や韓国のような「メインホストに彼をサポートする大勢の弟子」という図式が現れないところが興味深い。
さて、本作のタイの祈禱も「メインホストに彼をサポートする大勢の弟子」という体制で、メインホストが胡散臭いのは同じだけどどこの国よりも不気味で最高でした。祈禱ショーファン(そんなファンがいるのかは分からないけど)には大オススメです。

フェイクドキュメンタリーに131分は長いが、巫女の継承という伏線と回収は興味深く、飽きずに最後まで見ることが出来た。悪霊に憑依されたミンに起きる現象は生理的に不快なものが多く、ミン役の演技は見所なんだけどそればかりに頼り過ぎている脚本が少し冗長だったかな、とは思う。「REPLAY」されるような霊現象や、クライマックスでは犬人間以外の「本体」が出てくると盛り上がったのに。そういうところを白石監督は惜しげも無く出すので、やっぱり惜しいなぁと思ってしまう。まあリアリティを重視するかエンタメを重視するかってところで、本作は前者を選んだんだろうけど、自分は後者も好きなんです。

最後に、ワンコは殺しちゃダメです。赤ちゃんは殺してもワンコはダメw
個人的にはミンに脅されたラッキーが、主人が現れて部屋を走り回るシーンにはホッコリさせられました。助演犬優賞獲得です。
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