【あクマのピーさん】
タイ全土にはピー信仰なるものがあるらしい。
ピーとは精霊で、良いピーと悪いピーがいるという。
ドキュメンタリーを模した作りの本作では、霊媒師がピーピー、ピーピー言っている。
長渕剛じゃあるまいし、と思えてくる。
要は、女性が悪霊に取り憑かれる、エクソシストのようなホラーである。
作り物のわざとらしさが鼻につくのだが、ミン役のナリルヤ・グルモンコルペチさんが体を張って這って吐いて頑張っている姿が、とても強烈で、次第に怖くなってくる。
夜の職場で、セッ･･･ピー･･･スしたり。
獣のようにテーブル上でオ･･･ピー･･･ッコしたり。
赤･･･ピー音はいらないか･･･ちゃんの泣き声をまねたり。
悪魔のピーさんを体現するのだ。
お祓い儀式へのカウントダウン。
ロケ班を襲うカメラ映像。
救いようのないバッドエンド。
怒涛のように突き付けられる恐怖に、いつしかピーピー泣いている自分に気付くのでした。
