旅するランナー

シンデレラの旅するランナーのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
4.0
【クリスタル·プリンセスの王国】

リリー·ジェームズが、やはり素晴らしい。
舞踏会での初々しさ、ガラスの靴合わせシーンでの謙虚さ。
彼女の醸し出す雰囲気に静かな感動を覚えます。

フェアリーゴットマザー(ヘレナ・ボナム=カーター)の登場で、一挙に物語が動き出す。
魔法の力で作られた、ブルードレスの美しさ。
スワロフスキーの全面協力のもと、ふんわりと広がったスカートに約1万個のクリスタルが散りばめられているそうです。
衣装デザイナーは、サンディ・パウエル。
これまでに「恋におちたシェイクスピア」「アビエイター」「ヴィクトリア女王 世紀の愛」の3作品でアカデミー衣裳デザイン賞を受賞しています。
星の輝く森の中を歩くリリー・ジェームズのドレスが、おしとやかにキラっと輝き、とっても美しい。
やはり、この映画のハイライトでしょう。

それと、忘れてはならない、というか、忘れられないのが、義母役ケイト・ブランシェットの怪演。
「インディジョーンズ/クリスタル·スカルの王国」で演じたイリーナ・スパルコと並ぶ、強烈な悪女ぶり。
もうさすがとしか言いようがないです。

リリー・ジェームズも最新作「きっと、それは愛じゃない」では、ちょっぴり義母成分も接種しています。
「シンデレラ」についても辛らつに話していて面白いです。
ともあれ、当作をきっかけに、その後クリスタルのような輝きを放つ人気女優への階段を昇る、彼女がまだシンデレラだった頃を見ることができて、想い出がいっぱいです。