このレビューはネタバレを含みます
「「一番怖いことって何か」考えたら、先祖の代からの恨みで襲われることかなと。自分にはまったく身に覚えがないのに、呪いじゃないけど自分を追ってくるみたいな。」
ジョジョの作者・荒木先生の有名な言葉ですが今作はこれに尽きるなと。
血に刻まれた呪い、もっといえば家族というしがらみがいかに人を苦しめるか。恐怖ってとても身近なところにあって、大切な人や家族の異変、豹変、消失、憎悪こそが本能的な「恐ろしさ」を煽るのかも。
モキュメンタリーとしてはかなり硬派なドキュメンタリートーンでそこがめっちゃ良い。あくまで秘境や村落の暮らしを伝えるためのトンマナ。序盤、ニムが「病院で治せることはそっちに任せた方がいい、私に担当できるのはそれ以外」って言ったところで期待度がグンと上がった。そんで期待通り途中までは良かった!笑
大盛り上がりの祈祷当日、なんでただのモンスターPOVになっちまうんだ…
終盤がいっちばん怖くない上によく見たことあるかそれ以下の演出に落ち着くのでそれまで醸成されたテイストが台無しに感じてしまった。
とはいえ本作の核はやっぱり「血のしがらみ」だと思っていて、ラストシークエンスにニムの告白が入ってくるのはとっても美味しい。いやー、一番恐怖と呪いを背負ってたのはこの人だよ。