～感想～
多くの方が｢CGかー…と思ってたら凄かった！｣と絶賛していて、声優変更などにより期待値が低く、そのまま見に行ったらこれを見させられるわけだから、そりゃ絶賛するよなと思います。
試合のシーンは全てにおいて完璧で、井上雄彦先生の絵がそのまま動き、最後のシーンに関しては色を無くすという演出。圧巻でした。
原作の時間のコントロールが映画と相性がいいなと。
ただ映画よりも時間の操作を読者に委ねる漫画という媒体に置いて既にそれをやってるので、映画との適合率は凄いけど、漫画の方がもっと凄くね？だからスラムダンクって名作なんじゃね？とは思いました。
漫画にある種心酔してるからこそ、｢そりゃこれくらいのもんは生まれるでしょ｣というめちゃくちゃ信頼してる側近みたいなスタンスです。
というか、DBをみてたらスラムダンクに対して｢cgか…｣とはならないと思いますけどね。
見てるのが当たり前みたいな書き方で申し訳ないですけど、スラムダンク見てドラゴンボール観ない人とかいるのかなぁ…。
せめてcgだからではなく、どんなcgかを観てから落胆するかどうか決める癖を付けて欲しいなと。
僕は期待していたので、僕としては漫画ほどの感動はありませんでした。
まず一つ言いたいのが、合間合間に回想を挟みすぎて、その度に萎えます。
しかもその回想がめちゃくちゃ重たくて、お母さんに関してはほんとに嫌いなので、もはや苦痛でした。
そもそも回想と試合を交互にやるより、最初にまとめてスラムダンクを知ってる人も知らない人もリョータの過去を受け止めてからリョータと一緒に山王戦に臨むのが良かったんじゃないかなと思います。
賛の意見としてよく｢リアルタイムでバスケしてるのが凄い｣というのがありますが、その通りですし異論はないですが、個人的にはもっとしてくれると思ってました。もっと。
個人的なピークは、冒頭の試合が始まって湘北と山王が紹介されて最初の回想に入るまででした。
ここまでの胸の高鳴りは今までの映画体験でナンバーワンだったかもしれないです。
このまま突き進んでたら死んでたかも。
僕が期待していたのは、同じ声優、知っている曲、原作そのままの演出、完璧にバスケをするアニメーション、それで山王戦を！だったので、満たされたのは最後の2つだけだったので盛り上がりには欠けたかなぁと。
声優に関してもそこまで旧アニメに思い入れはないつもりだったのですが、要所要所で気になってしまいました。
上手い下手とかじゃなくて｢違う｣って思ってしまう感じ。
起きていることはずっと最高なのに、｢違う｣、｢回想か…｣、｢あのシーンは飛ばすのね｣という雑念がめちゃくちゃ小刻みに来てノりきれなかったという感じです。
あと、原作よりも重みが増すシーンもあればその逆もあって、チューニングも乱れてしまったなと思います。
例えばですが、流川の影が薄すぎて最後のハイタッチとかは原作ほどのエモさはありませんでした。
原作よりも山王が強く見えないってのもありました。
ただ宮城周りは全部いいので、炎の男みっちゃんが最初にスリーを決めた所とかは正直泣きました。
そう言えば結局THE FIRSTってどういうことなんでしょうか？
山王戦を5人分やるとかでもないし、これで終わりなんですかね？山王戦。
そうなると、｢山王戦をアニメで見たい！｣という気持ちがむしろ高まってしまった気がします。
｢沢北じゃねぇか！！｣とか見たいなぁ。
ただ5人分繰り返すと5人目あたりではもういいよってなってそうですしねさすがに。
うーん。
終わり方も意外でしたね。
リョータが田臥選手みたいなことするんだ。
スポーツ漫画のキャラがどんな道を歩むのかってのは気にならない人間はいないのでそこのワクワクは個人的には好きかな。
日本一の高校生に、この時流川はなっているのだろうか。
めっちゃ面白かったけど、
マイフレンドが流れる
→インターハイのダイジェスト
→今作の冒頭
→回想無し漏れ無しの原作そのまま
→原作の残りの曲でエンディング
の方が面白かったんじゃ？という思いは変わらないかな。
これだったら絶命してました。
あとここでは言えないけど個人的にリンクする部分が多すぎてしんどい部分もありました。
まあアニメーションとして今後のハードルを上げてしまった罪深き超傑作であることは間違いないので、絶対見た方がいい作品です。
否定的な雰囲気のレビューになりましたが、大好きです。
スゴすぎる作品だったと思います。
映画から見ても問題ないって人も結構見ましたが、一理あると思います。
原作ファンの夢を体現してると同時に、原作を知らなければ僕が抱いた不満は無くなるので。
ただ、初見を原作と今作どっちで迎えるのが望ましいかと言われるとそれは原作なので、結局原作を先に読んでおいた方がいいと思います。
“待望の山王戦アニメ化”って解釈よりも、井上雄彦最新作｢THE FIRST SLUM DUNK｣って思わないとダメな作品だったなと思います。
あと1つ不満を足すと、バスケをやってるとは言うけど、攻守の切り替えに関しては少し違和感を感じました。
あまりにも攻守の切り替えが少し遅い。
本当にバスケが行われているからこそそこは気になった。
完全版作ってくれねえかなぁ。
これで原作の全てを作って欲しいわ。
さいごに。
彩子さん可愛すぎ！！！晴子さんが霞んでた。
リョータが主人公だからそう見えるのか？
漫画より可愛く見えました。
2022/12/30追記
なんか、時間が経つほど面白かったなぁ…ってなるな。
もう1回余裕があれば見たいなぁ。
最後の花道の｢左手は添えるだけ｣は普通に喋って欲しかったな。
てか喋ると思うくない？
若干の肩透かしを食らった。
音を無くしたならそこで際立たせるのが普通じゃないのかな。
漫画の演出と綺麗に置き換えるなら喋らせるのが普通だと思う。
あえて喋らせなかった意味はなんなのか。
うーん…。
漫画を知らない人にとってはどっちでも最高の演出だとは思うし、｢左手は添えるだけ｣に対して｢声が違う｣っていうノイズを抱かせる事を避けたのかな？
炎上した後にそう変更した可能性はありそう。
でも多分そうじゃなくて意味あってのことだとは思うから、誰か解説してくれーい。
