ナンセンスロケット

THE FIRST SLAM DUNKのナンセンスロケットのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
3.7
【往年のファン向けの動くスラムダンク。あの山王戦がスクリーンで見れます!】

噂のスラムダンク見てきました。事前情報をほとんどしない中でのサイレント上映。結果、インターハイ山王戦という大舞台に宮城リョータを主人公とした仕上がりになっておりました。

スラムダンクはご存知ジャンプ全盛期に風靡した作品で数々の男子(女子)を虜にしたバスケットボール漫画。もちろん私もその一人w

アニメ版では確かインターハイ前の地区予選までしか描かれいなかったかと思い、スラムダンクのベストバトルと言われるこの山王工業との試合をファンは熱望していたのは事実。

結果としてはきとんと山王戦との試合を原作に忠実に描きながらも、主人公をあえて宮城リョータにしたあたりで、新しい作品(リビルドに近い)になっていたかと思います。

ただ、これは原作を当時読んでいて(まあ、いまでもいいのだが)があって、そこに映像化されたという楽しみでないとなんのこっちゃついてはいけないと思います。
そもそも複雑なバスケットボールのルールとか、湘北高校のスタメン5人+メガネくんの過去や特徴、加えてなぜ花道がバスケをはじめようとしたかとかこのあたりはホントに削りまくっている。

まあ、むしろ映画化するにあたってその辺を語っていたらいくら時間があっても足りず、はては何部作みたいなことにせざえるを得ないので、思いっきりファン向けに振り切っているところはむしろ心地よかったです。

きちんと山王のゾーンプレス、三井の3Pシュートからの蘇り、花道のオフェンスリバウンド、流川と沢北の1on1など、あーあのシーンがない!ってのはほとんどなかったんじゃないかなと思います。(あえていうなら、前半の河田弟と花道のマッチアップw)

そしてラスト1分の攻防戦、原作(確か)31巻の最終巻を無音でつらぬくという演出をきちんと映画でも再現されており、花道が言った「左手は添えるだけ」は実は映画では口パクなのですが、逆にこれが鑑賞しているファンには届いたはずなのだ。

原作きちんと読んだファンには4.0、未見の人にはキャラクター設定から全くついていけないと思われ3.5かな。

声優の変更とか前評判不安だったけど、きちんと映像化してファンを楽しませるという目標は十分にクリアされた作品かと思います。素晴らしい。