無音の瞬間を、ぜひ映画館で楽しんで欲しい。
映画を見るときには、激しいシーンも好きだけど、息を呑む瞬間、周りから音が消える瞬間がとても大好きで、それが味わえるのは映画館ならでは。
この作品は、音がない瞬間のドキドキと、音がまた出てくる瞬間のワクワクが素晴らしかった。
最初から最後まで、ずっと心が揺れ続けた。誇張でもなんでもなく本当に。
原作そんなにちゃんと見てなくて、大学時代にサラッと追ったくらいなんだけど、試合に望むそれぞれのキャラクターの背景が、描かれているところはもちろん、いないところも想像されて、ぐっと物語にのめり込んでしまった。
ギャグシーンも、『ギャグシーンだよー!』ってことはしなくて、サラッと入れ込んでくる。一つ一つのシーンに、本当に時間をかけて、真剣に向き合って作り込まれたのだと思う。
声優変更が話題になったけれど、個人的には、いい意味で全員演技が落ち着いていて、今のスラムダンクという感じがしてよかったと思う。
この2時間で完結する物語でありつつも、この物語を深く知るには、原作を読んで、それぞれのキャラクターの背景を知りたくなる。そういう意味でも、非常に良く出来た映画だった。
なんにしても、とんでもない傑作が年末最後の最後にやってきたもんだぜ…