坂上豊彦

THE FIRST SLAM DUNKの坂上豊彦のレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
3.5
誤解のないように断っておくが、評価は一本の単体の映画としての評価であり、スラムダンクに対しての評価ではない。

原作者による新訳「スラムダンク」。原作マンガの熱かった山王戦を期待するとハズす。編集次第でまだまだ面白くなったと思うのが残念。

こだわりがリアルな筋肉の動きや、人生のリアルさと言った所に割り振られ、単純な面白さを阻害してしまっている気がした。

あのスラムダンクの山王戦。面白くないわけがないはずだが、、、山王戦にフォーカスが当たっていない感じがしたのが残念。試合のいいところで振り返りが入るので、流れが中断されてしまう。これは編集というか、脚本の問題か。

特に、試合を決める最後の1分は「花道」が主役の胸熱展開なので、主役が変わると熱量がズレてしまう。これも残念なポイントだ。

映画の2時間といる制約もあったのか?あの魅力的なキャラクターたちを描き切れていない。(それを見越して、あのストーリーだと言うのは理解しているが、)これは過去の原作マンガを知らない世代がターゲットになる時代に、映画というフォーマットに山王戦を描き切ろうとしたところに無理があったようにも感じる。これも残念だ。

原作ファンなだけに、見れて良かった想いと、もうちょっとあの熱狂をと想う自分がいるのが正直な感想。

評価の高い人たちは、脳内で原作マンガから補完してる気がする。単純な一本の映画としての評価は難しい。