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硫黄島からの手紙のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
米国人視点の日本帝国軍人模様 評価5⇒1

◆追レビュー:評価5から1へ
映画を見る前もレビューを書く前も他の情報を知ることは極力避けているが、
本作レビュー投稿後に当該事項を調べたら多くはフィクションのようだ。
てっきり捕虜となったパン屋の体験談と発掘された手紙がベースの準実話とばかり思いこんでいたので残念ながら評価下げ。
この意味するところは、本作だけを鵜呑みにすると酷い誤謬にどっぷりつかってしまう確率が高まってしまうということ。やはり一つの窓口だけで判断するのは愚か極まる行為と再確認。
しかし、事前の下調べによる先入観形成や、知性・感情汚染を避ける意味でもこの形の真っ新(まっさら)状態での視聴と直後のレビュー投稿、その後の情報収集、場合によってはレビュー訂正というやりかたは続けていきたい。


◆旧レビュー
まず抑え気味の色調が目を引く。そのトーンによりあの大戦時の疑似的空気感がグッと高まる。

日本兵の描き方という観点からは、目を三角に吊り上げむやみに威張る・しごく・玉砕を強要する上官や士官が当然出てくる。
その一方、渡米経験もあり広い視野を持った理性的将校や士官もいたことに少し驚く。
当然それら両者の折り合いは宜しくなく、最終的に決裂するに至る。

米軍上陸の大艦隊は圧巻! 特殊効果も自然。
もうそれだけでどうにもならない絶望感と諦念が戦後生まれの私にも生じてくる。

圧倒的不利の状況下で「自決強要」の場面、敵兵捕虜惨殺、逃亡兵銃殺など日本側の野蛮性が否応なく描かれる。
「アメリカ人からすればそう描きたくもなるわな・・」とこちらもあきらめの境地。
ところが白旗を上げて投降した日本兵を米兵が撃ち殺す場面は全く想定外だったので大いに驚いてしまった。
その時点から本作は極めて公平な観点から戦争の実際を描き出そうと意図しているのだと理解する。

硫黄島の手紙とは日本兵がトンネル内に埋めた手紙のことだったんだね。


この映画は見ることを極力避けていたもの。今回ようやく借りる気になったが見てよかったと思う。上映から14年は間を置き過ぎたが・・・
原作も読めればと思うがそうするにはまだ気が重すぎる。しかるべき時に手に取ることになるだろう。
次なるは「父親たちの星条旗」を見なくては。

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