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ベルリン・天使の詩 4K レストア版のmaroのレビュー・感想・評価

3.0
「午前十時の映画祭14」で面白かった順位:5/5
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★☆☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

「午前十時の映画祭14」にて。
1987年の西ドイツ・アメリカ合作映画。
ニコラス・ケイジとメグ・ライアンの『シティ・オブ・エンジェル』(1998)の元となった作品。

役所広司が渋谷区のトイレの清掃員を演じた『PERFECT DAYS』(2023)のヴィム・ヴェンダース監督の映画。
なので、ある程度は文芸的というか詩的な雰囲気は想像していたんだけど、いざ蓋を開けてみたら想像以上に謎な構成だった(笑)
よく言えば独特、悪く言えばバランスがよろしくないというか。。。

ダミエル(ブルーノ・ガンツ)はもともと人間になることを望んでいたんだよね。
そんな中でマリオンという女性に恋をして、天使であることを辞める決意をするんだけど、そこに至るまでが長すぎる。
最後の30分ぐらいだよ、話が進んだのって。
それまではもうずーっとベルリンの街に住む人々の心の声に耳を傾け続ける。
そのほとんどが日常に対する不満や不安ばかり。
で、その悩みを解決するかというとそんなことはなく、ただ寄り添うだけなので、観ている方としては人々の心の声が垂れ流されているだけに見える。
天使が手を触れるとポジティブな考えに変わるような描写もあるにはあったけど、扱いが小さすぎてほとんどわからない。
そんな状態が90分以上続くのはけっこうしんどい。
しかも、人々のセリフがちょいちょい詩のようでわかりづらいし(笑)

ただ、ダミエルが人間になってからマリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)との出会いに至るまではちょっとロマンチックだったかな。
なんでマリオンはダミエルのことがわかったのかは謎だけど。
ダミエルがもっと早く人間界に降り立って、慣れない人間生活に戸惑うみたいな要素があったら個人的にはもう少し楽しめたかも。
そうしたらもうこの映画じゃなくなるけど(笑)

そんなわけで、大絶賛されている映画らしいけど、個人的には刺さりませんでした。
ちなみに、『シティ・オブ・エンジェル』はかなり大幅にリメイクされているようなので、そっちも観てみようかな。
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