まめ

余命10年のまめのネタバレレビュー・内容・結末

余命10年(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます


主要キャスト以外の前情報ほぼ無しで鑑賞。
元々いわゆる「余命モノ」は見る気にならない方だから、タイトルだけ見てまた余命モノか、と思う人たちの気持ちもわかるんだけど、そういう穿った見方を捨ててフラットな気持ちで見てみてほしいなと思った。
私は普段余命モノ見ない分、今作は新鮮というか素直に観ることができたような気がしているので。

本編。
途中までは、なるほど原作からは結構改変してるんだなあと思いながら見てたけど、そうじゃなかった。

原作はあくまでも小坂さんが残した原作のままというか、今回はアレンジを入れることに意味がある、という形になっているのがすごいなと思いました。制作側の一つの愛の形だなと。

作者がいない以上、映画化するなら原作に忠実に頼むという声もちらりと見かけたけど、本作を観た後だとこれが正解だったのではないかと思える。

「原作に忠実に」映像化するなら、実写じゃなくてアニメだろうなあ。コスプレとか、正直実写で見るのはハードル高いと思うし、見る人を選ぶと思う。あと茶道の家元の後継とか少し非現実的なので、今回の実写映画のアレンジは英断。


個人的にはこれは1人の女性の生き方の話であって、家族友人との過ごし方も恋愛と同じくらい大事な要素だと思っていたので、お母さんに本音を打ち明けるシーンは本当に涙が止まらなかった。
あり得て欲しかった未来の映像も素敵すぎるから、なお切なくてたまらない。もう一度映画館に足を運びます。

追記:
2回目鑑賞。
前回よりは冷静に見られたけれども泣いた。
「生きてね」というセリフが冒頭と終盤で登場するのが、生命が継がれていく感じがして、切ないけど嬉しい気持ちになった。
冒頭で「お姉ちゃんがスカイツリーに連れて行ってくれませんでしたって遺書に書くよ」と言っていたのもちゃんと終盤で回収されていた。和くんへの想いも含めて、小説が茉莉にとっての遺書、メッセージでもあったんだなと改めて感じた。
まめ

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