ゆき

余命10年のゆきのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
3.7
秘密

“遺される”側の緊迫感が非常に印象的な一作でした。
安定して映像が幻想的で見惚れる。藤井監督、今井さん×平山さんチームの画は大好物。
抜け感のある空撮と息が詰まるような室内、イエローとブルーの画と暖色が強くなる時のギャップがたまらない。
2×2の男女のバランスや友情と親友の境界線。
ビデオカメラを介して記憶に共鳴する展開。顔のアップは大事なところだけ。
原作未読だったため、一緒に死への準備をする物語かと思っていたのですが少し異なりました。
自分が茉莉もしくは和人の立場だったら相手のためにどんな選択をするんだろう。
寡黙な父と穏やかな目線の母、凛とした姉(あと1シーンだけ出る夫の山中さん笑)をもう少し掘り下げて欲しかった気も・・・
「どっちが可愛そうなんだろう」というセリフが一番ぐさりときました。
音楽の広がりもあり、ぐっと立体的に見える一作。
今年の桜は少し違って見えるかも。
×××
20歳で不治の病に侵された女性。退院後、彼女に残された時間はわずか数年。恋をしないと決めていたはずだが、同窓会である男性と再会する。
ゆき

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