二階建ての古民家に暮らす二人を中心に綴られる四篇からなるオムニバス。脚本のもつ力学が絶妙に変てこで、ともすればただ散らかっていきそうなところを、ぎりぎり持ち堪えている。それはまるで、次々と思い掛けぬ闖入者を引き入れていくあの古民家が内蔵する磁場が作品そのものにも働いている、といったような。きわめて限られた人数のチーム全員でものづくりに携わったという制作体制が、作品そのものの空気感にもいい意味で作用している。ただショットの連なりに違和を感じる瞬間がいくつもあって、ここは別様の仕方で撮ったら、もっとおもしろくなったんじゃないかなとたびたび感じた。絶妙な間について探究していた二話も、ポテンシャルを充分に活かしきれていなかったのでは。フジサン、はさすがに笑ったけれど。