舞台はノルウェー郊外の団地。子供たちが隠れた才能に目覚める話。
ちょっと違和感を感じる描写と、お腹に響く重低音で、ジワジワと不穏な空気感を漂わせてくる上品なホラーでした。
とは言え、残酷なシーンや、ジャンプスケアもあるし、子供特有の容赦なさもあって、ストレートにかなり怖かった。
自分が子供の頃に考えてたことを思い出すのは困難なくらい、年をとってしまったけど、あの頃の無垢で純粋な心と、それとは真逆の邪悪さが同居する危うさっていうのは、なんとなく覚えている。
そしてそこに超能力を掛け合わせると、楽しいごっこ遊びだけで済むはずがないことは、当時の自分に置き換えても想像がつく。
親は子供のことを知っているようで、ほとんど知らない。子供同士の世界で起きたことを親に話しても理解してもらえないと子供は思っているから。是枝監督の「怪物」でも描写されたように、ある一面だけを見て、親は分かったつもりになっている。
ある意味、それは子供の成長過程で当然起きることかもしれない。でもやっぱり、親と子を繋ぎ止めている細い糸のようなものは、切らないように守っていくべき。
この映画の主役は子供たちだけど、親目線で見ると、いくつかの気づきが得られると思う。
