ノルウェーのとある住宅団地を舞台に、超能力に目覚めた少年少女達の一夏の出来事を描いた作品。
子供達の“無邪気な悪意”がまじまじと描かれていた。大人になった自分には、「子供の頃はそうだったよな」と思うシーンもあれば、大人としてどうにも受け入れがたい、理解しがたいシーンもあり、複雑な気持ちになった。
本作に登場する少年ベンは、善悪の区別が他の登場人物と比べて特についておらず、初めは猫を殺すところから始まり、次第にエスカレートし、人をも平気で殺し始めるようになる。かと言って、その善悪の区別を教えるまともな大人もベンの周りにおらず、正直、どうしようもない、救いようのない少年だと思った。だからこそ、最後のイーダとアンの決断は納得できるし、そうするしかないと個人的に思った。
大人に分からない子供だけの世界が確かに作中にあり、大人としてこの物語を受け止めるにはもう少し時間がかかりそう笑。
