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パラレル・マザーズのMALPASOのレビュー・感想・評価

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)
3.8
映画『パラレル・マザーズ』

監督・脚本は、スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル。
主演ペネロペ・クルス。
今回も母親の話。ミステリー的な要素もあり、これまでのペドロの作品の中では、最も観やすい作品ではないだろうか。

写真家のジャニスと17歳のアナは同じ日に女の子を出産。
シングルマザーとして生きていくことを決意していた2人だったが・・・。
ジャニスが育てる娘セシリアは、アナの娘だ発覚。病院で取り違えが起きていた。
1年後に再会した2人。アナが育てていたジャニスの娘は亡くなっていた。
主人公の女性2人が恋愛関係となり同棲を始める。なんとも複雑な展開。

アルモドバルという人の生き方が大きく反映された内容。現代的な人間関係の描き方をしている。
いつも通り、主人公の部屋は色とりどり。今回も、赤、青が印象的。現在をいつも通り色鮮やかに、過去はモノクロな色合いで描いている。

2人の母親をめぐる悲劇と合わせて、スペイン内線によって虐殺された人たちの遺体発掘が描かれる。しかし、リンクしないように感じるこの2つのお話。ペドロのライフワークは「母」。今回は、そのまた先祖にまで広げている。悲劇的な歴史の事実を少しだけ語っ事で違和感もあるけど、ペドロ曰く、自由に語ろうよというメッセージだそう。
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