Omizu

The Hand of GodのOmizuのレビュー・感想・評価

The Hand of God(2021年製作の映画)
3.4
【第78回ヴェネツィア映画祭 審査員大賞】
東京国際映画祭ガラ・セレクション部門
『グレートビューティー 追憶のローマ』『グランドフィナーレ』のパオロ・ソレンティーノ監督作品。来年のアカデミー賞イタリア代表にも選ばれている。

今までソレンティーノ作品は正直全然合わないなという感じだったのだが、本作もそんなに好きにはなれなかった。

ただ主に老人を主人公にした過去作とは異なり今回は青年が主人公。かなり趣を変えてきたなとは感じる。今までもあったコメディ要素が今作はかなり濃厚。前半は特に爆笑の連続で観客もかなり沸いていた。

イタリアを美しく映した撮影や超現実的な描写など総じてプロダクションの質は高く、評価されるのは分かるなとは思う。ただ中盤青年の両親に起こる出来事がやや唐突で展開が無理矢理に感じてしまった。そこから先の映画監督になりたいという展開も「なんで?」と思ってしまった。

男爵夫人はよかった。あのセックスシーンは会場がなんとなく気まずい雰囲気に変わったのが分かって面白かったな。

ソレンティーノ作品の中では割といいかなとは思うけどやっぱり好きな監督にはなり得ないなと再確認してしまった。
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