なんといっても死刑囚役の阿部サダヲ氏の演技が圧巻でした。
レクター博士のような猛獣の如き危険さではなく、いっけん普通の人なのにいつの間にか侵食されてしまうような、静かな禍々しさが怖すぎる。
最初は険悪な看守と、いつの間にか談笑し、しまいには面会時間を延長してもらうようになっていく様がおぞましい。
とても静かな作品で、アクションシーンなどはほぼ無いんですけれど、妙な迫力がありました。けっこう残酷なシーンもあるので、見る人を選ぶ作品だと思いますが、見ると忘れられないものがあると思います。
”綺麗で集めたくなるもの”が、川に流されていくさまが印象に残りました。