このレビューはネタバレを含みます
大祐こと原誠の人生を追う過程で、自身の人生とも向き合うことになる城戸。
原誠と城戸では多少意味合いが異なる面もあるが、各々が出自によって抱えているものであったり、それにより貼られるレッテルのようなもの、そういったものは周囲が思っているより重たいのだと感じた。
城戸が谷口家の長男の言葉に苛立ちファイルを叩きつけるシーン、自身の子どもに苛立つシーンは印象的。
本当の自分とは何なのか、極々身近な人にすらそれを見せることができない難しさ。
原誠が妻となった里枝に打ち明けることのなかった過去。
家庭のことを考え、夫の浮気を疑い不安に感じていた城戸の妻がしていた浮気。
かたちは違うが本当のことを知ったからどうなるのか…
知らないことがあって、それがなんであれ見えている現実が幸福ならそれでいいのか…
最後のシーンも少し考えさせられる。