このレビューはネタバレを含みます
誰がどんな人であろうが本来自由なはずなのに、いつしか自分に囚われていく人たちの再生の物語でした。
作中では死刑囚の息子や在日朝鮮人、職業や家柄、あらゆる物差しで判断し合っている社会を映し出していました。生まれながらに紐付けられた自分という存在が受け入れられないなら、他人の人生を騙っていけばいい。そうやって何度も何度も繰り返し再生し続けていけばいい。そういうありきたりな願いがこの作品のテーマかなと思います。
偽名を使うとなると他人事に思えますが、誰でも自分以外になりすますことで孤独を埋めている瞬間ってあるなって感じました。