西田千夏

ある男の西田千夏のレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
-
【2024-178本目】



だいぶ前にU-NEXTを契約したくらいの頃に、
書籍コーナーで本作の試し読みみたいなものが配信されていたからダウンロードしたけど、結果的にまだ文字で読めてないって作品。

申し訳ありません。平野先生。

でも、ようやく映画は見れましたよ、平野先生。


変にサブタイトル付いてないのがまた良いな!


愛したはずの男性が、不慮の事故で亡くなった後に親族から「誰ですか?」と指摘され、「彼は誰なのか?」というミステリーが始まる。

そんなミステリーと共に、各登場人物の内面を説くような作品で見れば見るほど驚きのタネが放出されていく。


ここだけの話、何かこれ言うと犯罪者みたいなのだが私も「もうこの人はこれが最初で最後だな」「何か怪しいな」と判断した人には、名前も誕生日も生い立ちも“私”ではない誰か架空の人物を作って情報を伝えている。
でも、それは「探られて欲しくない」「今後、会うことがないなら私の存在も覚える必要性も無い」って理由以外にも何か他の思いもあるのではないかと鑑賞後に思った。


「私は誰の人生を生きていたの?」の台詞は、鑑賞してから2ヶ月経った今でも忘れることが出来ない。


ミステリーなのに、ここまで人生考えさせられることはそうそう無い。笑

“私”とは何かを考えさせられるね。
あとは、相手と接する時に相手を“個人”として見てるのか“集団”のくくりとして見てるのかも気付かされる実に怖い映画でもある。

修学旅行生として見るのか、1人の女子生徒として接するのか。


奥が深いと思った。
小説も読まなあかんわ。

自分の存在を個人として証明すること、生きることは難しいね。

かと言って、自分ではない誰かになることも簡単ではないけど。