ゴリアテの憂鬱

香川1区のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

香川1区(2021年製作の映画)
4.1
社会派ドキュメンタリー系は良くてもMAX4.0にしてますと以前書きましたが、今回の0.1点の加点は小川淳也さんではなく、監督の大島新さんに敬意を表して付けたいです。

インターネットやテレビくらいで政治に触れているというくらいだと「野党は文句ばっかりで口うるさい」と思われている方も多いと思いますし、実際そういう印象を植え付けてしまっている野党にも責任があるのだと思いますが、だからと言って与党がマシだというのは余りにも浅はかです。

日本は大増税時代に入りました。
国民は「増税する前に政治家が身を切れ」と思うのは今の国民の暮らしを鑑みると至極真っ当な意見だと思います。

本作の立憲民主党の小川淳也氏の生活ぶりは、この映画を観る限りはその国民が望んでいる「贅沢をしない政治家の姿」に写ります。
与党の平井氏は「地元に道路やトイレを整備する資金を持ってくる」と訴えかけていましたが、そんなことを全国津々浦々でしてるから僕たちの税金もさらに高くなる訳です。

政治家に贅沢するなと言うのなら、国民ひとりひとりも少しずつ我慢して生活することを受け入れるのも大切なんじゃないかなと思います。

自身に批判的な意見でもきちんと耳を傾けていたのも小川さんでした。

逆に自民党の重役,平井卓矢陣営は、自分と異なる考え方の人間の話はシャットアウトしているように思いました。
それは今の霞ヶ関の偉いさん方にも言えることではないでしょうか。

今の政治オンチの国民を抱える日本じゃ無理だと思いますが、この人が首相になれば景気が良くなるかどうかはわからないですが(自民党のままでも良くなることはきっと無いです)、間違いなく日本のことを、今の世の中のことを今よりは好きになれそうだと思います。

これ以上に泣ける映画を知らん。

実るほど頭を垂れる稲穂かな。