今年いちばん見たかった邦画が早くもアマビデに登場😲 ありがたい。
片山慎三監督。あとから知ったんだけどこの人、ポンジュノの助監督をやってた方なんですね。たしかにそう言われてみるとなるほどポンジュノっぽいなあと思う。前半と後半とで映画のジャンルをガラッと変えてくる語り口や、もっと具体的なところでいうと、佐藤二朗がアイツを突然アレするくだりやなんかはパラサイトの父親がアイツを突然アレするくだりを彷彿とさせる。まあでも仮にこの映画や監督がポンジュノっぽいとしても、それはあくまで表層のレベルにおいてでしかないっていうか、実のところはそれっぽいバイオレンス描写やハッタリを適宜つなぎ合わせたデキの悪いパッチワークのように見えてならなかった。
社会派的な要素に関してもそうだよね。難病の患者を介護する身内の苦悩だとか、自殺志願者に手を差し伸べることの是非だとか、掘り下げていこうと思えばいくらでも掘り下げられるはずなのに、それらが単なるエンタメ的な記号のレイヤーにとどまってしまっていて、一向に芯を食ってくれない。結果的に取り上げた題材をいたずらに弄んでるようにしか見えなかった。
ツイストに次ぐツイストで次にくる展開がまったく読めないプロットにははらはらさせられるし、見ている間は間違いなく面白かったはずなんだけど、見終わってから冷静な目で作品全体を俯瞰してみると、あれっ？これ面白いか？となってしまうよくわからん映画だった。
