KenzOasis

さがすのKenzOasisのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.0
「懸賞金300万やで?」
途中にだれもが感じるであろう「なぜ?」が疑問のままで終わることなくきちんと納得した上で驚かされる脚本が光る一本。

おちゃらけていてアホで、頼りない。そんなオヤジを演じた佐藤二朗がとんでもない仕上がり。慟哭シーンは「うおっ」となる。

現実で私たちを驚愕させた事件を取り入れて、そこで語られた「救い」と称される殺人の問題に切り込みながらも、映画としてのドラマや見事さにきちんとつながっていて、これはすごい。。

あーーーそうくるのか、すげーな。とおもわず声が漏れた怪作。
的確な舞台描写、ときおり差し込まれる低い構図によるメリハリも好きでした。

罪を罪と自覚しながら、それでもなお生きる。

父をさがす、犯人をさがす、生き方をさがす、理由をさがす、死に方をさがす。人生は基本的にどこかがえげつない。
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