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さがすのRのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

映画の描写に対して、実際に起きた事件を想起させる点が、物語の深みに欠け、むしろ既視感ばかりを覚えさせました。

・自殺志願者をネットで募る
・犯行を救済だと主張する
・犯行後に性的興奮を覚える
・遺体をバラバラにしてクーラーボックスに保管する
・犯行後に平然と居座りアイスを食べる
・逃亡中日雇い労働者の多いエリアに身を潜め離島に潜伏するなど

過去の実際の事件や犯人の特徴を寄せ集めただけだと気付いた瞬間、一気に冷めました。

実際に日本社会を震撼させた連続殺人事件やサイコパス的犯行、また逃亡犯が逃亡中にどのように身を隠していたのか、といった要素がそのまま詰め込まれただけで、オリジナリティや独自の洞察は薄く、不快感を覚えました。

単に有名事件を切り貼りしただけに過ぎず、犯人像に深みや複雑さが不足していた。


とはいえ役者さんの演技には目を見張るものがあり、彼らの演技が作品の弱点を補ってくれていたことに加え関西弁のセリフが全体の重々しさを緩和していて、程よいバランスが取れていたと感じました。

シリアスなテーマだが関西弁特有のリズムや軽妙さがアクセントとなり、物語が過度に沈んだ雰囲気に支配されることを防いでいた点は好みでした。
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