楽しい中学生活、友達との関係。それは永遠に続かないからこそ、尊いのだ。
2018年に始まった『からかい上手の高木さん』アニメシリーズ。
その4年間の集大成がこの劇場版。
3期で描かれた尊い文化祭、バレンタイン、そしてホワイトデーが終えた後の中学3年生の夏。
TVとは違い、劇場ならではの物語なので雰囲気や構成がいつもと違う。
ただの総集編になることを避けつつ、メインの2人の恋愛話に加えてミナ、ユカリ、サナエのトリオによる友情話をしっかりと描写。
いつものコメディ感は抑えめで、今作は西方&高木さんのラブストーリーをいつもより色濃くフォーカスしている。
野良猫の「ハナ」を育てるという共通目標を持ち、まるで夫婦のような西方&高木さんコンビにより、悶絶。
ドジな西方ではなく、成長した男らしい西方の姿がしっかりと表現され、さらに惚れる高木さん。
そしてTV版では観たことがない焦る高木さん、泣く高木さん、デレる高木さんなど、完璧超人のような高木さんの”人間ぽさ”がふんだんに描かれています。
嬉しそうな高木さんを観るだけでこちらも嬉しいです。
2人の成長と可愛らしさに泣きつつ笑いながら鑑賞できたが、見終わったあとの虚無感がすごい。
自分の青春時代は終始一貫して、今作の木村と高尾ポジション(同級生たちを引き立てる役)だったので、なおさら西方&高木さんが羨ましすぎて直視できない。
自分には「絶対に」取り戻すことのできない学生時代の夏を、この映画に突きつけられることで傷つき、死にたくなる。
高木さんのような存在は自分にとって「絶対に」手に入らない幻想なのだ。
なのでひたすらシテ…コロシテ…と心の中で呟きながら観ていた・・・
エンディングロールでこの4年間の映像が流れたが、西方&高木さんが頭身含めてしっかりと成長しているのを改めて実感。
本当にいい作品です。
小豆島に行きたくなりました。
浜口と北条さんのくだりは消化不良に終わったので、そこは第4期などを予定しているということなのか?
そしてペットショップのデラモチマッヅィみたいな鳥はちょっとフィクションすぎて違和感・・・