ろく

からかい上手の高木さんのろくのレビュー・感想・評価

からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)
2.3
これはダメ。

だって今のアニメのお手軽さが全部この映画には入っているんだもん。田舎、美しい風景、ちょっとした交流、別れ、そしてエモ音楽。全てが自動化しているの。手軽すぎるのよ。手軽すぎる。話だって大したことないし、それでも「いいでしょ」って感じで語るプロデューサーが見えてしまうんですよ。

当然、映画ってのは自由だから「いいじゃん、そんなゆるやかなものが見たいんだ」って意見もわかるんですよ。というか今のアニメに求めているものって「癒し」じゃないのかな。だから極端なくらい自然の風景をメインとして緩やかな生活を押してくる。それはこのアニメだけではないはず。僕らは何かに「疲れている」の。

そしてもう少し「頑張らなくてもいいんだよ」(©飯島直子)それが欲しいためにアニメを見る。確かに僕もそうだ。「ヤマノススメ」だって「ゆるキャン」だって「スーパーカブ」だって「けいおん」だってそうだと思う。日常系アニメの功罪と言ってはちょっと言い過ぎかもしれないけど、ただ「癒されたい」だけなんだ。

でも僕はこの映画ではその「癒されたい」より「見てられない」が勝ってしまった。それはこの映画では「癒されたいでしょ」って言葉がなんとも透けて見えるから。強制癒し。そんな感じの「自分を癒すことくらい自分でするよ」ってなってしまったんだ。

原作も既読、なんならその後の原作も既読(マンガワンでね)。でも映画では「これが映画かよ」って気持ちになってしまったのよ。
ろく

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