ねぎおSTOPWAR

箱のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

(2021年製作の映画)
3.8
TIFF東京国際映画祭2021

ずっと離れて暮らしていた父の遺骨を引き取りに行く少年から映画は始まりました。
遺骨の入った”箱”を受け取る少年ハツィン。
帰りのバスから死んだとされる父そっくりの男を発見してバスを降り、確認も出来ないまま”箱”を返しに行きます。

そこから事態はつかめないままにその男とハツィンたちは労働者を半ば騙して派遣する仕事をするようになります。

ベネズエラ出身のロレンソ・ビガス監督の2作目。
メキシコを舞台にした物語。


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ネタバレします。















父でした。

一旦は、なんだかんだ父と一緒に暮らす喜びを感じましたが、次第に父がやっていることの危険さを理解するようになります。
詐欺、暴行、盗難、人殺し、死体遺棄・・
当たり前のように犯罪を犯しながら「みんなやってる」「そうしないと自分が生きていけない」という理屈が人間の尊厳レベルをグググッと押し下げている。

そこでハツィンが取る行動。
思えば大人たちに翻弄され、そんな大人たちを軽蔑するから無言で笑顔も向けない。
映画の冒頭と決意した後、ハツィンはそうなります。
そして”箱”を手に取るのです。その意味こそは・・・。