まっきー

幻滅のまっきーのレビュー・感想・評価

幻滅(2021年製作の映画)
3.8
18 23/3/15 Fan's Voice独占最速オンライン試写会

貴族と平民、王制派と自由派という
富、思想、作法、価値観の対立する人種が芸術を介して交錯し、
優美と猥雑も隣り合わせだった時代のパリ。
虚偽や偏向、炎上商法、名声や話題性も金次第、
現代にも通じる報道の腐敗と虚栄の渦に溺れた文学青年の顛末。

習得の勢いや野心、熱量が目覚ましい成長をもたらすが、
成功慣れしていないから達成感に酔い、自惚れ、誇示、
虚飾と快楽の誘惑に抗えず、自分を過大評価し選択を誤る…
華麗に描き出された「若気の至り」。
美しく迂闊な主人公、活版、筆跡、社交界、パーティ、
衣裳も小物も隅々まで眼福。

「アマンダと僕」のヴァンサン・ラコスト良かった。
上流社会側のドラン、寡黙ながら知性と品が滲み出て美しかった。
ジェラール・ドパルデューも説得力たっぷり。
貴族の人妻の寵愛を足掛かりに上流社会で詩人として名を成す夢を見た
青年の挑戦と波乱、映像も美しく展開も面白くあっという間。
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