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パワー・オブ・ザ・ドッグのいのネタバレレビュー・内容・結末

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

有害な男性性がテーマ じゃないのがこの作品の凄いところ。

肉体的な暴力ではない、精神的な「嫌さ」の手数とその繊細さ。
雄大な山並みでのダンスにはじまり、作品の最後のキスで閉じられるジョージとローズの愛の物語のなかに、母を守ると決意を固めたピーターの愛、発露に戸惑うフィルの愛が立ち現れる。

『モーリス』では同性愛の根拠が異性への差別に立脚していてもやもやしたけど、こちらは逆に行き先を失った性愛が(精神的)暴力として発露され、その状態に戸惑うフィル、という構造だったので納得感があった。

やっぱりピアノとバンジョーの醜いデュエットが最高だったな。気の利いた姑?見たことない嫌がらせ。
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