アラシサン弐

パワー・オブ・ザ・ドッグのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.2
ハラスメント義兄、愛を知る。

原作が60年代の小説らしいのだけど、こんな現代の価値観にもぶっ刺さりそうな話が半世紀以上も前に存在してたことに驚き。

愛情の形とそれに関する事柄のデパートみたいな作品だった。
弟とローズの恋愛的な愛情、ローズの息子への依存的な愛情、ローズのフィルに対しての嫉妬。
そんなあらゆる愛形と弊害に触れて、偏見ゴリゴリのザ・漢が自分の中の可能性と向き合う訳なんだけど、序盤「風呂入って」と頼むのも恐れ多いような狂犬が、自分の愛情に気付いた後は一人の寂しがりな人間に見えてくる。

ベネディクト・カンバーバッチの演技怖かった。序盤のモラハラするシーンに狂気が溢れ過ぎててサイコスリラー物なのかと思ってしまった。
アラシサン弐

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