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パワー・オブ・ザ・ドッグのIdeonのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
モンタナで牧場を営むフィルとジャックの兄弟。野卑なカウボーイのフィルに対し、穏やかな性格のジャック、ジャックは未亡人のローズを見初めて結婚するが、フィルはローズもその連れ子のピーターも受け入れようとしない。あまりにも冷たい仕打ちに酒に溺れていくローズだったが、休みに牧場を訪れたピーターが、偶々、フィルの秘密を知ったことから、三人の関係性に変化が起こり始める…というお話。
西部の男くさいカウボーイという、最もキャラクターからかけ離れた難役をベネディクト・カンパーバッチが見事に演じている。スーツを着込んだ英国紳士そのもののイメージの彼が、終始、無精髭を蓄えたむさ苦しい姿で登場し、髭を剃り、身なりが整ったと思ったら死んでいるという皮肉。西部の雄大な景色を背景に物語はゆっくりと展開するが、ベネディクト・カンパーバッチがただの西部男のはずがないという先入観で、最後まで緊張が途切れない。
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