ゆき

あのことのゆきのレビュー・感想・評価

あのこと(2021年製作の映画)
3.9
事件

あくまで男女で招く事柄なのに、女性に選択肢はない。
“いつか”出産したい彼女だが、学業の妨げになる“今”ではない。望まない妊娠。
興味と欲望、学業と未来。狭間にいる孤独。
理解者がいない恐怖と迫る期限。友人たちだって共犯になる覚悟はない。
相手の男性の浮足立った感覚に苛立ち、彼女の粛々とした性格と裏腹な繊細さに魅入った100分でした。
主人公の目線で“事件”を追う一作。面白いというより恐ろしい追体験。
二度と見たくないけれど、見ておいてよかった。生々しい悶絶は程度覚悟の上でご鑑賞ください。
***
1960 年代、フランス。輝かしい未来を手にする目前でアンは予期せぬ妊娠に気づく。中絶が違法とされる世の中で、大切な試験を前にした彼女の決断は一つだった。
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