60年代中絶が違法だったフランス。予期せぬ妊娠をした大学生アンヌの独りの闘い。
痛い……痛かった。心も体も。
ノーベル賞に近いと言われる作家アニー・エルノーの実体験を基に書かれた「事件」という著書の映画化。
アニー・エルノーは80代のお婆さんになった今でも この時期の事を語ると涙をながすほど、いまだに傷は癒えていないそう。
中絶に全力で賛成できるわけではない。
でも出来る時は男女2人なのに、なぜ女性だけがこうも痛まないといけないのか…。
アメリカでも中絶禁止法が可決された州がでてきたり、アンヌのように苦しむ女性もまだどこかにいるかもしれない。
アンヌの目線で撮られた特別なカメラワークにより、リアルな痛みで冷や汗をかきながら鑑賞しました。ホラーよりも恐ろしくて、痛い。
調べてみると主演のアナマリア・ヴァルトロメイは、写真家の母親にヌードを撮影をされていたエヴァ・イオネスコの実話「ヴィオレッタ」の主演の子なんですよね。
子役時代から体を張りすぎでは……⚡️
劇場の没入感がここまでさせるのか、鑑賞後は痛みで電車の椅子にもたれかかりながら家に帰りました。すぐに元気にはなれない映画。
保健体育の授業でこの映画を流して避妊の大切さを少年少女に実感させるといいと思うよ…。R15+だけど。