足し算でも引き算でもなく。日々、身体を動かし、腹が減れば丁寧に土の恵みをしっかりと喰らう。
そこには正しく自分の生と向き合う禅僧のような暮らしが残る。
明日や明後日ではなく、今日一日を丁寧に生きて、その事をありがたく思う。そこには無駄や不足や背丈を超えたのぞみもない。生、そのものだけがすっくと静かにある。
老齢を迎えた今、いかに世俗を削ぎ落とし、生きること、今あることに感謝して暮らせるのか。暮らしの思想というより暮らしのスタイルこそが大切なようにも思う。いささかなりともそこにふわりと近づけたならうれしい。
まずはからだを動かし、おいしくいただき、その日に感謝してぐっすり眠ろう。