なつこ

土を喰らう十二ヵ月のなつこのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
3.8
調理のシーンも周りの景色も全てが「そのまま」で美しい。
スタッフさんがここで生活して畑も作っていたから、台所も畑もこんなにリアルな景色なのかもしれない。

生きることは体を動かすこと。
スーパーで食材を買うことが当たり前になっていると、忘れてしまう。

ツトムは、料理のプロというわけでも、いわゆる「ていねいな暮らし」を頑張ってるわけでもない。

ただ毎日土の恵みを持ち帰り、子供の頃に学んだ精進料理の記憶と、周りの人々から教わりながら、それを無駄なくいただいてるだけ。特別なことは何もない。それがいい。

そんな毎日を書き綴る連載を持っていて、
なので、ほぼツトムの書く原稿の文章(ナレーション)で進んでいく。
セリフは時々誰かと会った時だけ。

無くなった妻の母親、息子夫婦とは折り合い悪いのに、他人のツトムとはウマが合うらしい。
しかし尾美さん、情けない息子(旦那)役が上手い。あまちゃん思い出すわw

本作にはずっと生と死が描かれている。
食べること、つまり生きること。
妻の死、身内の死、自分の死。
ずっと墓に入れられない妻のお骨。

明日も明後日もと思うから生きるのが面倒になる。今日1日暮らせればそれでいい。
本当にそうだなと思う。

ひとりぼっちで待つ、さんしょ🐶のカットが連続で入ることで、さんしょがどれだけ待ったか、それで時の流れがわかる演出がとても好き。さんしょは良い子🐕♡雪に顔突っ込んでるのとか、可愛くて大好き♥️

あとオープニングの曲がとても好き!
管楽器が好きなので、テンション上がる✨




















ラスト見逃しそうだっけど、奥さんのお骨、ちゃんと納骨したんだね。
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