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土を喰らう十二ヵ月のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
4.7
長野の山荘で暮らす作家のツトム(沢田研二)。
山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っている。
時折、編集者で恋人の真知子(松たか子)が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べるのは、楽しく格別な時間。
悠々自適に暮らすツトムだが、13年前に亡くした妻、八重子の遺骨を墓に納められずにいる…。
沢田研二、主演。料理研究家・土井善晴が映画中の料理設計に挑む。水上勉の小説を元に四季折々の食で綴る人生ドラマ。
ストーリーが、作家の水上勉さんが長野県で自給自足生活をしていた頃のエッセイを元にしてるため、諸行無常万物流転の仏教思想を軸にした世界観で描かれていて、妻の八重子に先立たれ義母のチエを見送り、四季の移ろいや生命の儚さに向き合うツトムが、畑の恵みに感謝しながらも限られた生や死の意味を考えながら生きる日々を、編集者で恋人の真知子や義母のチエや地元民との交流や様々な出来事を絡めて四季の移ろいと共に描かれていて、セリご飯やウドの味噌汁や梅しそジュースやたけのこの煮物やごま豆腐など精進料理をベースにした山菜料理がどれも美味そうで、枯れた飄々としたツトムがハマっている沢田研二の枯れた飾らない存在感と演技と松たか子のはつらつとした天真爛漫さの対比が絶妙で、ユニークな飯テロ・スローライフ・ヒューマンドラマ映画。
「いただきます」
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