今年のアカデミー作品賞筆頭候補。北アイルランド紛争下のベルファストに先祖代々住んできた一家の少年目線で綴られるドラマ映画。ケネス・ブラナー監督の半自伝作品だそう、めっちゃ良かった。
予告編観る感じハートフルコメディっぽかったから油断してたら開幕5分ぐらいで驚愕、紛争に揺れる町と社会的にも経済的にも移住を要する家族。大人目線では社会も家族も深刻な状況で、少年（バディー）も周囲の問題には敏感に察知しているのだけど、純粋に日々を楽しもうとする姿が愛おしく、ホッとする。緩急の付け方が上手すぎる。町のセットがあえて小さく作られていたのが、またバディーにとっての世界を表していて良い（彼が夢見る月面旅行とも良い対比）。ジェイミー・ドーナン、もうセクシー俳優枠は脱して完全にパパですね、金は無くともカッコいいパパだった……。そしてバディー君がめっちゃかわいい。
決して平穏とは言い難いけれども、大切な幼少期の思い出をギュッと閉じ込め、自伝とは言いつつ色々な人が共感しノスタルジーを感じられる良作だと思います。北アイルランド問題の痕跡も垣間見れて◎。
