チャーミングで、じわじわと胸があたたかくなる映画。
北アイルランドの紛争は、長く根深いもので、そこに暮らす人々の心の奥底に影を落とし続けているんだろうな。監督の自叙伝的な要素もある、という話を聞いて納得。
白黒の映像は、記憶の彼方、幼少期の記憶を象徴するような印象。でも、闘争や爆発のシーンは、白黒なのが救いだったなとも思う。あれが、カラーで鮮明に9歳の男の子の記憶に刻まれるのは辛すぎる。
じいちゃんばあちゃんのセリフや佇まいがとにかく最高で、家族や友達ひとりひとりも愛おしかった。構図やアングルもカッコよかったな。
状況が状況だけに、彼の国のことは頭にどうしても浮かんでしまうし、それも含めて今映画館で見るべき作品なのかな、と思いました。
